◆六甲中学校・高等学校インタビュー 第1回

inter-edu's eye
神戸市灘区にある六甲中学・高等学校は、カトリックの修道会であるイエズス会を母体とする中高一貫の男子校として独自の教育に取り組み、これまでに数多くの著名人を輩出してきた。その根底にあるのは、「他者に仕える人間(MAN FOR OTHERS)」の育成。生徒が「他の人々のために生きる人間に成長していく」ことを願い、教職員のみならずOBも含めて生徒をサポートしている。11月には新校舎も完成。新たなスタートを踏み出す同校の教育や充実した新校舎の中身に迫った。
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松浦 明生 校長 |
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1951年、名古屋市生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程卒業後、母校の六甲学院に社会科教師として奉職(専門は世界史)。その後、教頭を経て2009年、校長となる。 イエズス会の掲げる「MAN FOR OTHERS(他の人びとのために生きる人間)」は、人間の生きる意味を問うことで人間に生きがいを与える教育方針であるという信念に基づき、「仕えるリーダー」の育成に努めている。その根底にあるイエスの生き方に倣う人間に育ってくれるよう願い、週に1回、宗教の授業を担当している。 |
【第1回】卒業生・在校生の強い結びつき
カトリックの教えとOBとの関わりが人間関係を豊かに
インターエデュ(以下、エデュ):まずは私学ならではの魅力について教えてください。

松浦 明生校長:私学の魅力はいろいろありますが、大きく分けて2つあると考えています。一つは、教育理念に基づいて特色ある教育ができるという点です。
本校の場合、カトリックの世界観・価値観に基づき、「他者に仕える人間(MAN FOR OTHERS)の育成」を教育目標にしています。生徒一人ひとりが全人的に成長し、他の仲間とともに、よりよい世界を創造することを共通の願いとしています。この教育目標に従ってカリキュラムや行事を編成しています。
もう一点は、教員の異動がないということが影響しているかと思いますが、卒業生との結びつきが非常に強いことです。物心両面にわたっていろいろ支援いただいているのでとても感謝しています。
エデュ:OBとの結びつきの強さはどんな場面で感じていますか?

松浦校長:たとえば、毎年5月下旬に健康について考える「健康の日」という行事があるのですが、その際に来てもらう医師はすべて、OBです。
また、進路のモチベーションを高めるための「進路の日」もOBに進路に関する話をしてもらいます。卒業したばかりのOBに来てもらうこともありますし、大先輩に足を運んでもらうこともあります。
また、新校舎の建設のための費用を率先して集めてくれたのは伯友会というOB会でした。ほかにもキャンパス内にある教会で結婚式を挙げたり、OBの懇親会を学校で行ったりするなど、さまざまな場面でOBの方と関わる機会が多いですね。社会で活躍するOBの存在が生徒たちにとってあこがれの存在になっています。
エデュ:OBとの結びつきの強さは、六甲中学・高校の大きな特色だと思いますが、ほかにも特色はありますか?

松浦校長:「生徒が生徒に語りかける学校」であることも大きな特色です。つまり、先輩、後輩の関わりも強いということです。クラブ活動だけでなくいろいろな場面で先輩・後輩の関わりがあります。
たとえば、入学してすぐの中学1年生には、学校生活や身の回りのことを教える「指導員」がクラスに1人つきます。
この「指導員」は、高校2年生が務め、校内での振る舞いや、ルールなどを逐一教えます。夏のキャンプでも宿舎での生活は、高1・2年の指導員が面倒を見ます。また、本校では、トイレ清掃にも力を入れているのですが、教室以外の掃除も上級生が監督を務めます。
こうした先輩・後輩の関わりの強さは本校の伝統となっています。生徒主導で行う文化祭・体育祭もこのような素地があるからこそ成り立つものであると考えています。在校生とのタテの結びつき、OBとの関わりが人間関係を豊かにしてくれると信じています。
⇒第2回「魅力的な授業が生徒を惹きつける!
膨大な知識と人間的な厚みがある教師陣」

六甲中学校・高等学校 | |
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最寄駅 | 阪急電車神戸線六甲駅 |
TEL | 078-871-4161 |
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