◆大阪星光学院中学校・高等学校インタビュー 第1回
inter-edu's eye
大阪星光学院中学・高校は、キリスト教精神に基づき「世の光であれ」を校訓とするミッションスクールだ。中高一貫の男子校として1950年に創立。毎年多くの東京大学や京都大学など難関国立大合格者を輩出するなど高い進学実績を残している。ミッションスクールならではの取り組みや特色について、同学院の学校長でもあり、神父でもある鈴木英史校長に話をうかがった。
【第1回】「アッシステンツァ(ともにいる)」を教育の要に
合宿を通じて生徒との信頼関係を深める
インターエデュ(以下、エデュ):まずは私学の魅力についてお聞かせください。
鈴木 英史校長(以下、鈴木校長):単に知識を詰め込むだけでなく、プラスαの面が多いことが一番の魅力だと思います。学校生活を通して協力したり、助け合ったり、ともに生活したりして人間として学ぶ場があります。
本校は、ミッションスクールで、キリスト教の精神に基づいて指導しています。モットーは「世の光であれ」です。将来、社会において光のように暗いところを照らす人になってほしい。人の心を光のように温める人になってほしい。生きる力を与える人になってほしい。そういった独自の理念がある点が私学の魅力ではないでしょうか。
エデュ:教育の特色について教えてください。
鈴木校長:一言で言えば「合宿が多い」ということです。
現在、和歌山の南部と長野の黒姫に学舎があり、そこで合宿生活を送ります。中学3年間では、トータルで60日間、合宿があります。通常の授業を行う場合もありますし、スキーや登山などもします。
校内にも「研修館」と呼ばれる30人収容の合宿所があり、そこでは中学1年生が各クラス7人ずつ集まり1週間、合宿生活を送ります。校外での合宿に備えるための研修でもあり、ともに生活する場を提供しています。
エデュ:どのような理由、狙いで合宿が多いのでしょうか?
鈴木校長:本校は、サレジオ会の会員によって創立された学校で、サレジオ会の創立者であるイタリアのカトリック司祭、聖ヨハネ・ボスコは、「なるべく教育者は生徒に寄り添いなさい」と提唱しています。
そして、本校ではイタリア語の「アッシステンツァ」、つまり「ともにいる」ということを大事にしています。私は3つの「アッシステンツァ」が重要であると考えています。
1.物理的に「ともにいる」ということ。
2.心に寄り添うこと。
3.勉学面で遅れを取っている生徒に対してきめ細かい指導をすること。
以上の3点を心に留めて指導するよう、先生たちに話しています。この「アッシステンツァ」を実現させる場の一つが「合宿」です。先生と生徒は24時間、ともに生活をしていく中で信頼関係を深めていきます。「ともに」という点にこだわっていますから、スキー合宿の際も現地でインストラクターではなく、先生が指導します。指導する先生は、大変だとは思いますが、先生と生徒が触れ合う大事な機会だと考えています。
また、合宿は、勉強だけでなく、食事の配膳や片づけ、部屋の掃除、ベッドメイキングまですべて生徒自身でやっていかなくてはなりません。これまで親にやってもらっていたことを自分でするきっかけにもつながります。
⇒第2回「第一志望合格のための全面バックアップ
学校が提供する学習教材だけで京大医学部合格」
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