◆洛南高等学校附属中学校インタビュー 第1回
inter-edu's eye
全国屈指の進学校として知られる洛南高等学校附属中学校。最難関校が多く集まる近畿においても確固たる存在感のある進学校だが、同校の魅力はそれだけではない。学校を単なる通過点にしない、生徒と教師が一緒になってエネルギッシュに過ごす学生生活のその先にあるものとは?洛南高等学校附属中学校・青木純孝校長に話を伺った。
青木 純孝 校長 | |
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大学卒業後、洛南高等学校教諭 高等学校生徒部長、同校附属中学校副校長を経て2011年4月より、洛南高等学校附属中学校 校長。 |
【第1回】仏教の考えに基づく伝統的な校訓。
将来を見据えた洛南高等学校附属中学校の教育理念とは。
インターエデュ(以下、エデュ):洛南高等学校附属中学校の教育理念を教えて下さい。
青木校長:3つの言葉の校訓がよく表しています。
『自己を尊重せよ』
『真理を探究せよ』
『社会に献身せよ』
仏教では『三宝に帰依する』というお釈迦様の教えがあり、それを現代の言葉にしたものが、この3つの校訓となっています。
この校訓を基本として『規則正しく』『清潔な環境で』『情操豊かに』『勉学に励む』を、単なるスローガンとしてではなく日々の中で実践していく項目として掲げています。
また、今年の教育の実践目標は、『学校らしい学校つくり』を大テーマにしています。
『元気よく挨拶をしよう』『履物をそろえよう』『制服をきちんと着よう』
当たり前のことかもしれませんが、本校ではそういった基本的な生活習慣をしっかり整える取り組みを行っています。
志望校選びをする時に、進学実績を重視される方は多いと思いますが、本校は心の教育が中心です。私自身の考え方ではなく、伝統的な教えが学校で確立され、引き継いでいる。それを私たちなりの言葉でお伝えさせていただいています。
根本は、仏教という教えの中で確立されたものがありますから、我々も信念をもってやりやすいです。
それは決して古いものではなく、今現在の世の中に応えていますので、生徒たちもそういったものを受け継いで、社会に出ていってほしいですね。
高校の校長先生は「生徒が卒業した15年後、33歳くらいの時が、ひとつの価値を問われる大事な人生の節目。その時にどういう人生を歩んでいるか、自分が生きている意味をどれだけ社会の中に見出しているかが大切」とよく保護者の方にもお話しています。本校の校訓の一つである『社会に献身せよ』ですね。これも仏教の考えに基づいています。
子どもたちは、ここ洛南附属中学校でタネを植える。高校で発芽するまでの耕しを行っていく。あとは、大学生・社会人になって花がひらくかどうか、です。
エデュ:ここ数年で、私立学校を取り巻く環境も変化したと思いますが、御校にとってはどのように状況が変化しましたか?また私学ならではの魅力を教えて下さい。
青木校長:関西は宗教系の私立が圧倒的に多く、特に仏教系はかなりの数です。話を聞くとどの学校も、宗派を問わず「宗教の考えを現代に活かしていく」という建学の理念をもっていますね。人間像がしっかり持たれて、その上での勉学であったり、クラブ活動であったりにつながっているのではないでしょうか。
本校でいえば、校舎は世界遺産でもある東寺の境内にあり、豊かな緑にも囲まれ落ち着いた教育環境です。本館の中央には菩提樹がありますし、宗教的な雰囲気を大事にしています。
教育で特徴的なのは、毎月21日、弘法大師の月命日である「御影供」を実施していることでしょうか。生徒全員に対して講堂で仏教について触れながら、どうやって生きていくかなどを話しています。その後生徒は、御影供を振り返り、先を見据えながら作文を書いています。
この御影供は、自らの生き方を考えるきっかけ作りです。
単なる評価につながる授業ではなくて、自分たちがこれからどう生きるか考えていってほしいという想いが込められているのです。
⇒第2回「単なる進学校ではない!信頼から生まれる生徒と学校の深いつながり」
洛南高等学校附属中学校 | |
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