◆四天王寺高等学校中学校インタビュー 第3回
inter-edu's eye
今年91周年を迎えた四天王寺高等学校中学校は、大正11年に聖徳太子1300年御忌記念事業として、天王寺高等女学校が創設されたのに始まる。『聖徳太子の和のご精神を礎とする信念ある女性の育成をはかる』という教育方針のもと、世界に貢献できる女性リーダーの育成を目標とする、関西の私立女子校の中でも有数の進学校だ。今回は四天王寺高等学校中学校・奥田 行信校長に四天王寺高等学校中学校の授業や私学の魅力について語ってもらった。
奥田 行信 校長 | |
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大学卒業後、一般企業を経て、四天王寺高等学校中学校に奉職 平成20年4月より、四天王寺高等学校中学校校長 |
【第3回】進路指導と受験生へのメッセージ
エデュ:授業の魅力やカリキュラムの特徴について教えてください。
奥田校長:
本校は進路指導部や教務部が中心となって、生徒一人ひとりにふさわしいキャリアを形成していくために、必要な意欲・態度や能力を育てるための講演会を催しています。
本年度は大阪市立大学医学研究科の先生をお招きし「医学部入学はスタートライン ~よき医師に求められる資質とは?~」という演題でご講演いただきました。
そして先生のご講演の後、現在医師として活躍されている本校卒業生に「女医として、主婦として」という演題で、後輩達へのメッセージとしてのミニ講演をしていただき、また、本校卒業生で現役の大阪市立大学医学部生の2名の方にもお話をいただきました。
参加した高校生・中学生は大変興味深く拝聴し、医学への関心がより高まったようであります。
尚、6月には、受験間近の高校生に神戸大学工学部情報知能工学科の先生による「神戸大学工学部」の説明をしていただきました。
9月には、大阪大学大学院理学研究科の先生による「大阪大学理学部 なぜ学ぶのか? 高校時代にマスターして欲しい姿勢」という演題でご講演いただきました。当日、多くの器具を利用しての実験をベースとされた軽妙なトークで、予定をしていました一時間半の講演が瞬時に過ぎてしまいました。講演終了後、生徒達のアンケートには「とても充実していた」「勉強する意味が分かりかけてきた」「公式は覚えるためのものではなく、自然現象を表したものと知って感動した」などの感想が寄せられ、この講演会から高校生や中学生が得られた意義は大変大きかったようです。
また、7月末には進路指導部が「Memory & Harmony」という冊子を全生徒に配布しております。その内容は大学合格までの足跡を記した現役生や過年度生のコーナー、「今 学ぶ!」と題した大学生の方のコーナー、そして「今 輝く!」と題した社会人のコーナーの構成となっております。この冊子「Memory & Harmony」を読むことによって、保護者の方からは生徒の励みとなるという声を聞かせていただいております。
本校生は目標・目的をもって学んでいる生徒が多いといえます。目標・目的を持てば「朝鍛夕錬(ちょうたんせきれん)・・・千里の道もひと足ずつはこぶ」という不断の努力精進をしなければなりません。
その生徒の皆さんをお手伝い、サポートするため、本校の先生方は日々きめ細やかな指導をして下さっておられます。そして繰り返し反復するだけの授業ではなく、生徒の皆さんが自ら思考するという授業を展開しているのが本校の特徴だと言えます。
また本校では、生徒の皆さんが休み時間や放課後に先生方に質問などをする場所として学習プラザ・生徒学習指導室・進路情報室等を設けております。昼休み、休憩時間、放課後は質問を受け付けるため学習プラザや教員室が生徒たちで溢れております。
さらに、高3生は1月末で授業が終わりますとすぐに直前講座に入ります。直前講座とは主に国公立大学の二次入試を見据えた講座ですが、授業としての講座のみならずノート添削や論述指導・面接指導も熱心に行っていただいています。そうしたことから、保護者からは熱心な先生が多いとの評価をいただいています。
「学問の目的は人格の完成にある」とよくいわれます。生徒の皆さんはその途上にあります。その途上において、人はともすれば独りよがりの状態に陥ってしまいがちですが、学校教育は人と人との交わりによって、その考えをとりのぞくのです。よい友、よい先輩、よい先生とのふれあいが人を大きく育てると同時に学問にたいする真摯な姿勢をはぐくむ場が本校の学校教育であります。
エデュ:受験を控えたお子さまや、保護者の方へのメッセージをお願いします!
奥田校長:受験とは目標に向かい日々努力するものであります。そしてその努力は皆さんを大きくすると思います。
中国には「登高(とうこう)の儀(ぎ)」という故事があります。それは端午の節句に、男の子も女の子もお母さんにグミの実を簪(かんざし)のように頭に挿してもらい、みんなでその村の一番高いところに登り志を立てるという儀式であります。
そのとき子供達は、普段自分の家の大きさを誇ったり隣の家との大きさなどを競ったりしていたけれど、高い山の上から見るとすべてのものが同じように小さく見えることに気付きます。
これは、小さなこだわりを捨てさせ、大きな志をもって世の中のために役立つ人になりなさいということを自覚させるための儀式であります。児童の皆さんは志をもち、日々精進・努力していただきたいと思います。
保護者の方には、まごころをもって生きるという生き方を教えてあげて頂きたいと思います。また、時には、お子様と共通の目的を持って実践していく友人でもあり、そしていつもお子様を見守っている方であっていただきたいと思います。まずご自身がお手本を示していただき、絶えずお子様とともに切磋琢磨されるようお願い申し上げます。
ありがとうございました!
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